「神奈川県平和委員会は、米軍が横須賀港を母港とする
イージス艦ラッセンを南沙諸島に派遣することに対し、
軍事的緊張を高めるので、中国の主張の誤りを
平和的な話し合いで指摘するようにとの声明を出しました。」

[声 明]

南沙諸島人口島沿岸への米艦船派遣をやめ、

外交交渉による平和的解決を求めます

2015年10月29日

神奈川県平和委員会 理事長 菊谷節夫

横浜市中区野毛町2-61 大澤屋ビル4A

電話 045-231-0103

 

10月27日午前、米国防総省は横須賀を母港とするイージス・ミサイル駆逐艦ラッセンを南シナ海で中国が領海・領空と主張する南沙諸島の人口島海域に派遣したことを明らかにした。中国は、南沙諸島のスービ礁とミスチーフ礁などに造成した人口島から12カイリ以内を「領空・領海」と主張しており、米オバマ政権は、これまで人口島の造成が国際法上は領有権主張の根拠とならないと指摘し、「航行の自由」を根拠に12カイリ以内への艦船や航空機の進入の可能性をほのめかしていた。

今回の12カイリ以内への米艦船の進入に対し中国側は、ミサイル駆逐艦「蘭州」などの艦船を派遣して「警告」を行ったとしているが、米政権は「今後数週間から数カ月のうちにも作戦はあるだろう」と艦船派遣を継続することを表明するなど、軍事対軍事の緊迫した状況にある。

南シナ海での領有権問題で重要なことは、軍事対軍事の危険な対応ではなく、外交交渉による平和的解決の道である。それは2002年に中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が誓約した南シナ海行動宣言(DOC)にもとづくものであり、米国もこれを支持しているものである。

領有権問題でいえば、もともと中国の人口島建設は一方的に現状を変更する行為であり、国際的には認められない行為である。国際法上では、水中に没する岩礁を埋め立てて人工島を建設しても、人工島の周辺に領有権を主張することはできない。しかし、中国側の納得もなしに軍艦を一方的に派遣するという米側の行動は、「火に油を注ぐ」ことにしかならず解決の道は開けない。

いま必要なのは、全ての関係国が国際法と南シナ海行動宣言(DOC)の精神にのっとり、一方的な軍事行動を自制し、国際世論の包囲で中国の人工島建設問題を解決することである。

神奈川県平和委員会は、アメリカとともに軍事行動ができる「戦争法」が国会で強行採決された今、米海軍の本拠地である横須賀に配備されている艦船が今回の行動に参加したことを深く憂慮し、南沙諸島海域からの米艦船の撤退を求めるとともに、原子力空母をはじめ全ての米艦船の母港撤回を強く求めるものである。